雑記

20220828 そしてbuzz

日記は一番下にあります! まずはお知らせ。

メイドの手帖 最低賃金でトイレを掃除し「書くこと」で自らを救ったシングルマザーの物語』担当編集者さんから送っていただいた『セックスロボットと人造肉 テクノロジーは性、食、生、死を”征服”できるか』、ツイートしたらめちゃRetweetされてびっくり(゚Д゚)! ちょっと、私、ここのところ最近、自分の担当本以外の翻訳本でリツイートが多いことになってない?? ……素晴らしいことです。ちょっと読み進めていますが、めちゃ面白いですね。それから、装丁が優勝していないか? 控え目に言っても最オブ高では?

それで、私も一応翻訳をやらせて頂いているので、自分の新刊も宣伝しておかないといけません。

ta da! きゃわゆい~! すばらしい~!

家がぐちゃぐちゃでいつも余裕がないあなたでも片づく方法』! 
盛大におバズりいただきたい一冊です。頼んだぞ。


それからこちらも新刊!! 『本を読んだら散歩に行こう』(集英社)です。これは一生懸命書きました。翻訳本じゃなくて、エッセイです。ハリーが表紙で最オブ高ですね。

それからもう一つ大事なお知らせです。
なんと『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』が文庫化されまーす! パフパフ~🎉 これは本当に素晴らしい一冊ですから、是非お読みいただきたい。大げさではなくて、少し人生が変わるかもしれない。そして9月4日、なんとトークイベントが開催されます。作家の桜葉一樹さんとのオンラインイベントです。緊張しておりますが、がんばります。こちらもちゃんと広まってくれ。頼んだぞ。

さて、ようやく日記だ。
昨日、草刈りしてたら突然体中に激痛が! チャドクガですね。すぐに気づいてジャージを脱ぎ捨てましたがときすでに遅し。腕から背中をドバーッとやられました。やばいです。でもなんでかな。私、昔からなんだけど、虫に刺されるとちょっとうれしいんですよね。熱が出てもちょっとうれしいんだわ。私のなかの変な何かが発動して、ものすごく刺されているのにちょっとうれしい状態です。しかし、秋のチャドクガは怖い。みなさんも気をつけてください。草刈りするときはいつもスプレーしているんだけど、毛を飛ばされたら太刀打ちできない。そして庭はきれいになりました。

私が住む地域では、4月下旬までストーブが必要。この前片付けたばかりのストーブを、たぶんあと一ヶ月ぐらいでまた出すことになりそう。わが家にあるのは、普通の(しかし大型の)石油ストーブ一台と、体育館用の業務用ストーブ一台と、ペレットストーブ一台だ。三台稼働することはめったになく、メインは体育館用と普通のストーブ。ペレットストーブが私的にはもっとも快適なのだけれど、ペレットの入手が面倒くさくて、今年はどうしようかと迷っている。

地形も天候もドラマチックな地域に住んでいると、季節の変わり目の美しさが心に響く。夏から秋は特にそう。最近は、夕暮れの山の稜線が美し過ぎて心をやられている私だ。

雑記

20220826 それってやばいやつじゃん

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9/15日発売の新刊
家がぐちゃぐちゃでいつも余裕がないあなたでも片づく方法

まずはお知らせから。『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』の文庫化を記念して、作家の桜庭一樹さんとトークイベントをさせて頂くことになりました! 緊張! でもとても楽しみです。文庫化でより多くの読者のみなさんにタラの物語が届くことを祈っています。是非ご参加下さい。オンラインイベントなので世界中から参加して頂けます!

ここから日記。

諸事情により、介護サービスがほぼストップしている夫の実家である。夫婦二人の状態を考えれば、それがどれだけ危険か、介護生活突入から数えて三年というワイはよくわかっている。が、致し方ない。これは、誰が悪いというわけではないし、起きるべくして起きた事件だと私は(今となっては)考えている。ケアマネさんとはほぼ毎日連絡を取り合い、調整が続いている。

そんなこんなで久々に、書類を受け取るためだけに実家に行った私であった。結論から書くと、義父はよりいっそう陰気になっており、よりいっそうダークサイドに片足と言わず両足突っ込んだ状態になっていた。義母は穏やかだったが、そもそも彼女が穏やかだということが異常事態なのだ。彼女は爆竹みたいにパンパンと大きな音を出しながら、弾けて飛んでいるはずの人。義父の湿度にやられたのか?

緊急事態発生により、夫が能動的に動くようになってほぼ一週間が経過して、義父はこれ以上無理なほど暗くなっている。やはり、実の子と親のコンビは難しいのか? 私にきつい冗談を言われながら介護されるのと(#いらねえけどありがとう)、直球な感じで厳しいことを言う息子に介護されるのと、どちらが辛いだろう。子育てもそうだけど、プロの助けを借りるのが大事だと、こういう局面になるとよくわかるんだよね。それから、高齢になればなるほど、友人や趣味は必要。一人でいることに耐えられるのは、よほど強い人だけだよ。

孤独って怖い。

雑記 考える人更新

20220825 相当ドラマチック


今日は、新潮社Webマガジン考える人連載の『村井さんちの生活』が更新されています。
前回のタイトルは『義父が暗い』。今回が『義母が重い』。浮気妄想というよりは、大切な誰かをどうしても守りたいという本能のままに、義母が義父をオフトゥンにINしたお話です。そして現状は『義父が謎』→『義父が爆発』→『義父が悪い』→『義父? なにそれおいしいの?』になっております。

TOKYO滞在中も私の携帯はケアマネさんや看護士さんからの連絡で鳴りっぱなし。東京から関西に戻り、改めてケアマネさんと話しましたが、まさかの展開! ドラマよりもドラマチック! と二人で盛り上がる程度に、わが家の介護計画は根底から崩れてしまいそうです。その理由と経過を、東京から帰ってきたばかりなのに一字一句もらすまいと書いていたら、なんともう3万ワードになってしまいました。他に書くものあるだろと自分でも思う。エネルギーの使い方を間違えているのでは。しかし、これから読み直して編集者さんに送りますよ、あーしは。

そして今現在、私がどのように義父母に対応しているかという点ですが、実は、しばらく介護に参加する予定はなしです。サービスをすべて停止しております(合掌)。

これ、すごくない? 実子と親間の介護ではこうはいきませんよ、たぶん。私は実の子というわけではないから、ある意味ものすごくドライに、了解、それでは終了! となってしまいますが、このあたりの差っていうものも考えてみたいですね。誰も興味ないかもしれませんが。是非、考える人、村井さんちの生活をcheck it outしてください!

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今日はとてもうれしいことが。中学・高校と一緒だった友達から久々にメールがありました。雑誌で見かけたそうで。私とは知らずに翻訳書も読んでくれていて、それでもまさか、あの理子と、村井理子が結びつかず、それに気づいてからも数日混乱していたということでした。実家で一緒に椎名誠さんの本を読んだみたい。そう、あの頃私の頭のなかは椎名誠さんの文字でいっぱいだった。というか、わが家の女性(祖母、母、私)は椎名誠さんの本を片っ端から読んでいた。読んだら次の人に渡し、感想を言い合い、壁には椎名誠さんのポスターまで貼っていた。ああ、懐かしい! ちなみに私が大好きだったのは『哀愁の町に霧が降るのだ』。確か、読んだのは小学生のときですよね。

私にとってはお父さんみたいな印象だったけれど、母もお婆ちゃんも「いいわ~、素敵だわ~」と、目が♥になっていたのを記憶している……。

ここ数週間で、ブログの楽しさが戻って来た。SNSももちろん楽しいけれど、やはりブログもいい。これからも書いていこうと思う。

↓ 更新しました

雑記

20220824 東京

東京駅真ん前のホテルの部屋で【超ビックマウス】竹原を舐め切った喧嘩自慢の若造が殴り込み!ガチスパーリングで鉄拳制裁! を見ていた(なぜ)。出演していた18歳の喧嘩自慢は、竹原に勝てるという自信の根拠を「(竹原が)50歳だから」と言っていた。元WBA世界ミドル級チャンピオンの竹原を相手に、彼が50だから勝てるのである。負けるに決まっているだろ。

さて、忘れる前に宣伝させてください。新刊が9月15日に発売になります。『家がぐちゃぐちゃでいつも余裕がないあなたでも片づく方法』です。著者はKC・デイビスで、Tiktokアカウントはこちら。彼女、相当面白いので是非チェックしてみてください。友達になりたいよね、こんな人。私はニカッと笑う人が大好きなんだけど、彼女はまさにそんな人。片付け方法というよりは、片付けの工夫と心構え、等身大のアドバイスが詰まった一冊です。爆笑ポイント多数あり。いい加減ですばらしい。アバウトでOK!

@domesticblisters

#ad With a nostick pot & crisper tray thats DISHWASHER SAFE this thing is definitely #StruggleCare approved! #SponsoredbyNinja #SpeediMeals #ThisIsMyMomTime @NinjaKitchen

♬ The Big Day – Alex Arias & Alexander Julius Wright
さて、日記の続き。昨日まで仕事で東京にいました。東京に行く前に、静岡に途中下車して実家のあたりにも出没していました。亡くなっているお婆ちゃんの持ち物だった家を処分することになり、従姉妹と二人で奮闘しております……といっても、私は現地に住んでいないので、大変な仕事は従姉妹がやってくれていたのだけれど、私も協力しなくちゃと思って、今では作業に参加するようになりました。今回は司法書士の先生に作業を丸投げするために、静岡に立ち寄ったということです。

あのね~、家の処分って本当に難しいね。面倒くさいことこのうえないし、鬼籍に入っているひとも関係してくる(うちの兄とか)。もう本当に大変なことですよ、これは。それでも、今まで連絡もとっていなかった従姉妹が本当にいい子で、私の母ともとても近く、思い出話や私の知らないことをたくさん教えてくれました。また、私にいろいろ書かれて複雑な心境を抱いていることもわかりました。ごめんやで。

それから、私が家の処分のために静岡に戻っていることを聞きつけた親戚のみなさんが、どうなってる? 大丈夫か? えっ? そんなことに! と驚いて連絡くれました~ ありがとう~。みんな、書かれてしまって怖いらしいよ。本屋に行くと、どきどきするってさ。

文章を書くっていうのはとても怖いこと。残るからね。それでも、書かずにはいられない私みたいな人の周りにいたら、疲れることも多いでしょう。東京に行って多くの人に会って、頭のなかが騒がしくなるといういつもの状況に陥った私は今日、2万字書きました。よく書いた。もう寝る。

雑記

20220818 アクセスめちゃ上がる

放置していた本ブログを唐突に更新しはじめて一週間、アクセスがめちゃくちゃ上がってきている。今までで最高ではなかろうか。フガフガ・ラボ(20年ぐらい前にお友達と作ったサイトだよ!)のときから考えても、今が最も読まれていると思う。その理由は何かなと考えているんだけれど、ま、ワイの文章が上達したってことかな?

連日デイサービスに通いはじめた義母は、とても楽しそうにしている。今まで、週に二回だけ通ってもらうために四苦八苦していたというのに、今はもう、毎日がデイの日であっても、素直に迎えの車に乗って行ってくれる。電話で様子を聞けば必ず、「よくわからないけれど、楽しかった」と言う。瞬間、瞬間を生きている感じがする。義母はそもそもとても優秀な人だった。だから、短期メモリは限界まで減少していても、一瞬のパフォーマンスはとても高い。彼女を見て認知症だと見破る人は少ないだろう。

さて、懸案の義父だ。いくら説明しても義母の認知症や彼女の変化を受け入れられない彼に、どうにかして理解してもらおうと、レビー小体型認知症について説明してきた(義母はそのように診断されている)。義父は、義母の妄想や幻聴、物取られ妄想などを、認知症になって性格が悪くなったから発生した事象と理解している。

しかし、実際のところは、義母の変化はすべてレビー小体型認知症によるもので、その特徴的な症状と今の義母の姿は見事なまでに一致する。認知症になって性格が悪くなったから今の状態と考えることと、今の状態はすべて認知症によるものだから本人の意志とは別だと考えることの間には、アマゾン川程度の深くて暗い川がある。しかし、このことを義父は理解していない。だからこそ、認知症と言われても許せない……と、考えるわけだ。
……考えるなよ、めんどくさッ

義母のいなかった時間に、近所の美容室(義父も義母も三〇年来通っている)に行った義父は、店主の妻に「奥さん、なんかおかしいんとちゃいますの?」と言われたそうだ。「先週来てくれたときも、男の看護士さんがかっこいいとか、うちには知らないおっさんがいるとか、何度も言ってはるんですよ。やめさせたほうがいいんちゃいますのん?」と、言うらしい。それを言われた義父はとことん傷つき、そして抱えきれない痛みをあろうことか義母に向けていたというわけだ。なんなの? あさっての方向過ぎん?

「お義父さん、それは100%、無視していいです」と私は自信たっぷりに言った。「だいたい、クソほどわざとらしいですよ。お義母さんが認知症になったことなんて、このあたりの人はとっくに知っているはず。『おかしいんとちゃいますのん?』とわざわざ言うてくるのがおかしいに決まってるじゃないですか。からかわれてるんですよ。お義父さんの悲しそうなリアクションを見て、あっちは喜んでいるんですよ!」と言う私に、「あの人はそんなに悪い人やない!」と抵抗する義父。悪い人に決まってんだろ!

義母の変化なんて、義母周辺にいた人たちはみんな知っているはずだし、もう散々語り尽くされ、むしろ飽きられているトピックなんじゃないかとさえ思う。スタートしたばかりの認知症は多くの人の興味を引くが、本格的な症状が出始めると蜘蛛の子を散らすように誰も周りにいなくなる……介護スタッフと数人の心優しき知人、そして家族以外は。

認知症は興味本位なトークを山ほど生み出す病気だし、誰もが認知症に強い興味があるし、そんな我々の多くも将来認知症になる。これはもう、避けられない運命みたいなものなのではないか。それならば私は、しっかりと見届けよう。

雑記 20220817

20220817 歪んだ思考へのお百度参り

昨晩、またもや不安定な様子の義母から電話がかかってきた。昨日、義父を連れて病院に行った際、なぜ私を一緒に連れて行かなかったのかと涙声だった。すべて説明し尽くしてはいたが、そこは認知症、そんな前後の経緯なんてすべてすっ飛ばして、悲しみの感情をぶつけてくる。ふむふむと聞き、次は一緒に行きましょうねと伝えて電話を切る。そのことが気にかかっていたので、今朝、9時に夫実家に電話してみた。すると戻って来たのはこんなアナウンス。

この電話は現在使用できない状態になっています。

えええええ! また電源引き抜いてしまったのかとがっくりだ。はぁ~、このままにしておいたら、私が行くまで電話が使えない状態になる~と思って、またもや車をすっ飛ばして夫の実家に行く。到着すると、家のなかは真っ暗だ。寝室から、険しい顔した義父が一人で出てきた。あら、お義母さんは? と聞くと、「デイの人が迎えに来て、デイに行ったんや」と、なぜか義父が怒りながら言う。

ああ、そうだった、今日から義母は毎日デイサービスに行くことに決まっていたのだ!

義母の認知症はものすごいスピードで進行している。家にいるときはひっきりなしに動きまわり(多動)、隙あらば義父を責め(浮気妄想)、ありとあらゆるものを隠してしまう(物取られ妄想)。義母も辛いだろうが、義父もとても辛い。義父本人が先週あたりから、「もう無理や……」と言い出し、時折涙を見せるようになった。もう限界やと訴える義父の姿を見て、私もケアマネさんも危機感を覚えた。そんなこんなで、介護認定が終わり、介護度がUPしたこともあって、今日から義母は月曜から金曜まで毎日デイサービスに通うことになったのだ。

義母を安全な場所で預かってもらうことで、自宅で自由に過ごすことが出来るようになって、義父はうれしいのではと思っていたワイが甘かった。義父は、「こんなに毎日デイサービスに行くなんて聞いていない」と言うではないか。

めちゃくちゃ大きめの

が出た。

私、説明しましたやん、お義父さんが自由に過ごすことができる時間がないと、苦しいでしょ? お義母さんの多動も浮気妄想も、辛いんでしょ? と言うと、「そやけど、たった一人でここにいたら頭がおかしくなってしまう。それに、あんなデイサービスなんて何が楽しいんや、なんの薬にもなりやしない」と、まさのデイサービスへのディスが始まった。

もう一度、デカめの
が出た。腹が立って仕方がない。

そしてよくよく聞いてみると、その義父の怒りはすでにデイサービスの職員さんにも向けられたようだった。どれだけケアマネさんとかデイの職員さんが奮闘してくれていると思ってんだよとこちらは徐々にイライラしてきた。クレームやめろよ、まじで。

「ワシの前では、デイなんて大嫌いだ、絶対に行かないとずっと文句を言うてるくせに、職員さんが迎えに来ると、嘘みたいに機嫌が直って、うきうきしながら出て行くんや。そんなにデイのほうがええんか? いままでここで暮らした時間なんてどうでもいいんか? と思うんや」と言う義父に、おい、まだわかってないんかと私の中の凶暴な何かのスイッチが入る。義父の襟元につかみかかるイメージで頭の中が一杯になる。

苦しいからどうにかしてくれと言っていた義父が、まさかの嫉妬である。うれしそうにデイに行く義母が気に食わないのか。

実際に義母は、デイサービスが大好きだ。文句を言いながらも行けば、友達はいるし、職員さんは優しいし、義母が得意なことをたくさんやらせてくれていることもあって、楽しくて仕方がないのだ。それは本人も言っているし、職員さん、ケアマネさんもよく知っている。だからこそ、義母の生きる力となればと考えて、デイサービスを増やした。それに、家にいたら飲まない薬も、デイに行けば飲ませてもらえる。家にいたら暗い爺さんと二人だが、デイに行けば楽しい仲間がわんさかいる。デイの方が楽しいにきまっとるやろ。

「こんな生活になるとは夢にも思っていなかった。今まで一緒に苦労してきたのに、あんなわけのわからんものが大好きになって、うれしそうに通っている姿を見ると、ガックリする」と言う義父。そんなお前にガックリなんだよ、あたしは!!!

なんなの? 義母が楽しくデイに通ったら悪いの? 仕事を任されて、うれしいんだよ、彼女は。必要とされていることを楽しんでいるんだよ! 便利使いされるんじゃなくて、ちゃんと必要とされたいんだよ彼女は! みんなと見る映画、カラオケ、ゲーム、食事、全てが楽しいんですよ、彼女にとっては!

「仕事を与えられるというても、家のなかは散らかり放題で、意味がないやないか。デイサービスはもう終わらせたほうがええんとちゃうか」という義父に、私のなかの凶暴な何かが「終わらせるのはお前でもいいんだぞ」と答えていた。

何度説明しても、義父には義母の認知症が理解できない。理解することを放棄している。家のなかの仕事をしない、料理をしない、何もできなくなったと、まさか今の段階で義父が考えているとは夢にも思っていなかった。今度一回、ガチの話合いをしてみてもいいかもしれない。wake up callだ。嫁を舐めたらあかんぞ

雑記 20220816

2022/08/16 20:23 病院に行った

今日は朝イチから義父を連れて病院に行った。昨日、またもや倒れた義父、あまりにも体調が優れない様子だったので、大きめの病院で診察してもらうことにした。朝9時に実家に行くと、スーパーヘルパーHさんがすでにスタンバイしてて、義母をどうにかしてデイサービスに送りだそうと奮闘していた。義母は時間通りに準備が出来なくなってしまったので、デイに行く日の朝、30分ぐらいだと思うのだけれど、ヘルパーさんに支援していただいているのだ。

あと10分ぐらいでデイサービスのお迎えの車が来る時間だというのに、義母はパジャマ姿でパンを食べていた。ウハハ、朝からヘルパーさん、大変だわ~と思った。夫も一緒に来ていたが、義母の姿を見るのが辛かったのか、家に入ってはこなかった。義母は、「私いまから何をするん?」と私に聞いていた。お義母さん、デイだよ、今日はデイの日だからねと言うと、「デイってなに?」と答えた。

義母は最近、デイサービスのことを忘れてしまったようだ。とにかく、この数か月の進行っぷりが恐ろしい。崩れ始めるととことん崩れる砂の城みたいだ。ヘルパーさんに何度も促されるが、なかなか支度が進まない。ヘルパーさんが、「私が送り出ししますし、理子さん、お父さんと病院に向かって下さい!」と言ってくれたので実家を出たが、どうにもこうにも義母が気の毒になった。

ヘルパーさんに「息子さんも来てらっしゃいますよ、さあ、急いで下さいね!」と言われると、急にうれしそうに、「あたしの産んだ子やで! あたしの子や!」と言い、夫をひと目見ようと窓を開けていた義母。いくつになっても、息子は子どものままなんだね。そういう愛情は、今の義母にもしっかりと残っている。

来週から義父の精密検査がはじまる。
それから新連載もアップされている。
https://yomitai.jp/series/jitsubotogibo/02-murai/

20220815 雑記(終戦記念日)

20220815 

朝から少し(というかだいぶ)心配な電話が義母からかかって、これは今日も行かねばなるまいと思って家を出た。夫の実家に到着すると、看護士さんがいらっしゃっていて、薬の確認をしてくれていた。義父は顔色が悪く、私が到着して一時間後ぐらいに真っ青になって、そこからベッドに横になった。しばらく様子を見て、大丈夫なようだったので帰宅したが、結局、夕方まで寝ていたらしい。明日、病院に連れて行くことにする。様子を見ていたら思い当たることがある。

帰りの車でずっと、父の死後、実母が突然、長渕剛の大ファンになったことを思い出していた。なぜ長渕だったのか、今でもわからない。しかしわからないなりに徐々に理解しはじめたことがあって、母は父の趣味に合わせて長年暮らしてきたけれど、父の趣味なんて実際彼女は好きでもなく、興味もなく、ただ付き合っていただけなのではないかということ。だから、父が死んだあと、ジャズなんてかっこつけたワケわからんものはあっさり捨てて、長渕剛だったのではないか。セイだったのではないか。

義父を見ていると、きっと彼も義母にずっと合わせて、興味のないことにも付き合って、彼女を支えて生きてきたのだろうと思わないでもない。

そんな彼に今日贈りたいのは、『ドライフラワー』だよ!! 

声も顔も不器用なとこも 全部全部 嫌いじゃないの
ドライフラワーみたい 君との日々もきっときっときっときっと 色褪せる

今日は体力尽きてしまい、原稿書けなかった。セイ……

20220814 雑記

20220814
義母の徹底した義父への攻撃が止まらない。

今日も朝イチで夫の実家に行って来た。昨日の帰り際に暗い顔をしていた義父、大丈夫だろうか……と、少し心配だったからだ。途中平和堂に寄ったらラコステのポロシャツが半額セールとなっていたため、義父にプレゼントにしようと買う。あまり派手なものを持って行くと義母の逆鱗に触れる可能性が高くなるため、自粛して、薄いブルーにする。

実家に到着すると珍しく義父が起きていた。昨日、私にせめて半袖にしろと言われて、今日のパジャマは半袖だった。義母はまだ表情が険しく、よそよそしい雰囲気だ。すかさずお薬カレンダーをチェック。朝の薬はまだ飲んでいないようだった。義父がリビングにやってきたので、早速シャツを渡す。義父はたいそう喜んでくれたが、ここで義母のスイッチ入る。

そもそも、他人の容姿を平気で批判する義母なのだが、最近その攻撃の対象になっているのが義父だ。白髪だ、よぼよぼだ、じいさんだ、ヨロヨロだと、それはもうストレートに言う。言いまくる。それも本気の顔で言いまくる。これを一日中やられたら、いくら相手が認知症でも嫌になるという義父の言葉は、まったくその通りだろうと思う。

今日の義母は自分が80歳だと発言するスイッチが入っていて、何度も繰り返した。私が、「お義父さんが今年90歳だから、お義母さんは82歳ですよ」と、よせばいいのにいつもの返しをしていたら、そのうち本気で怒ったようで、またもや怒りの矛先が義父へ……! 90だって!? いつの間にそんなじいさんになったんや!? 義父は反論も出来ない。

「この先、どうやって生きていけばいいのかと考える」と義父が言い出したので、お義父さんの不調の半分は心の問題なんじゃないかなと言うと、そうやろなと納得していた。難しいことだとは思うけれど、前向きに、希望を持って、近いところに設定した目標をクリアしていくことも大事かもしれませんね。例えば、91歳の誕生日に何をするかとか、93歳でどこかに行こうとか、今は無理だと思っても、それが実現したら大きな自信に繋がりますよ、きっと……と、私がとってつけたようなことを言うと、徐々に元気が出てきた。

徐々に元気が出てきたと思ったら、いつものどうでもいい地域経済および政治の話がはじまって、チッ、おまえいい気になるなよと一瞬だけ思ったが、今日こそはと我慢して聞く。すると、義父はどんどんどんどん元気になってくる。めちゃ笑顔を見せながら、スイスイしゃべるではないか。昨日までの即身仏みたいな姿は一体なんだったのか。それも私が持っていったシフォンケーキと寿司とプリンを完食している。そのうえコーラをがぶ飲みしている。昨日の義父の様子を見た夫が、家に戻って「あれはフェイクや、俺にはわかる」と言っており、それはないやろと気の毒になったのだが、確かにあれはフェイク……というか、あの時だけの真実だったのかもしれない。

めちゃ元気になった義父は、昭和30年代に金沢のホテルで料理長をしていたとき、経営陣と揉めて板場全員で大阪に戻ることになったその日、ホテルで知り合った仲居さんたちから大量にお弁当を持たせてもらったという話しをしはじめた。あまりにも大量だったので、大阪に戻る汽車のなかで同じ車両にいた人たちに渡すと、手を合わせて拝んでくれたと言い、あのときのことが忘れられないのや、こちらもどれだけうれしかったことか……と言っていた。めちゃ元気になった状態で。人間はいつになっても自分の心に翻弄される生きものなのだな。

帰りの車のなかで思い出したのは、矢沢永吉の「時間よ止まれ」。義父にプレゼントしたい一曲である。

幻でかまわない 時間よ止まれ 命のめまいの中で
#いらねえけどありがとう

20220813 雑記

2022/08/13 10:20 

まずはお知らせから。『家族』の特設サイトに新しいコンテンツが追加されました。
是非。夏に古い曲っていいですよね。昭和50~60年代を経験したひとは、少なからず聖子ちゃんに影響を受けているはずなのだ。私も、当時は好きという感覚がなかった。お姉さんという感じだった。でも、わが家の昭和を回想するとき、そこに聖子ちゃんの曲は必ず流れている。

昨日あたりから夫の実家が結構大変。何が大変って義父が落ち込んでしまって大変。義母の変化に心がついていかず、「病気だと言われても、それでも納得出来ない」という、悲しみが怒りに変わった状態で、愛なんて本当にオセロだと思った。それでも義父を慰めて帰宅。つらいからって寝てばかりはダメだよと、パジャマ姿の義父に言おうと一瞬思ったが、自分が万が一90歳になったときに同じ状況になったら間違いなく寝ていると思って言えなかった。

そして今朝。アグレッシブになっている義母から怒りの電話。私に対してではなく、彼女の頭のなかで発生している事象についての苦情のようなもの。ここ一週間ぐらい、知らない人たちが家に入り、悪いことをしているという妄想に取り憑かれている義母は、その原因は義父にあると考え(こじつけ)、徹底的な義父への攻撃をやめない。思い立ったらネバーストップの精神は今も薄れる気配すらない。

それは勘違いですよと言いつつ、虚しい。この電話も忘れてしまうのに……それでもなんとか説得を試みる。
まるでこの状況が辛いかのように、今、私、書いてますけども、義母の組み立てるストーリーの過激さに思わず感嘆してしまう。やるね。さすがだねと、わくわくする(正直な話)。

義母のストーリーが過激で、義父が急いで電話を替わったが、涙声になっている。心配しなくていいですよ、今からCoCo壱番屋行くついでに寄りますわと言って、電話を切って、現場に急行だ。今の状況だと、何が起きるかまじでわからないからね!!

夫実家に到着すると義母が縁側で正座して待っていた。窓が開け放たれている。よく見ると、家中の窓が開け放たれている。どうしたんですか、お父さんはどこですかと聞くと、「お父さんはふてくされています」という答え。寝室の中を覗くと、昨日と同じ長袖のパジャマを着た義父がベッドに横たわり、天井の一点をじっと見つめていた。真っ白くなった髪、落ちくぼんだ目。窓は開けられ、クーラーのスイッチは切られていた。即身仏みがマックスまできている。

義母の表情が険しい。大変大きなスイッチがONの状態だ。素早くお薬カレンダーをチェックする。昨日の夜から飲めていない。ああ、薬なしだとこのような感じなのかと思いつつ、主治医に申し送りしようとメモする。真っ赤な顔で眉間にしわを寄せながら、義父が戸締まりをしないために、風呂場に男が入って来たと訴える義母の話を聞く。聞きながら、介護認定が終了したらサービスをもっと増やしてもらおう、限度ギリギリまで狙おうと考える。義母が勘違いした経緯は理解したので、ケアマネさんと話合って対処するしかない。

義父は起き上がってきたものの覇気がなく、このままではまずい。

帰り道で、私が密かに狙っていた中古物件がすでに誰かの手に渡ったことに気づく。琵琶湖が一望できる小さな木造の家だった。はめ殺しの窓から見えるのは琵琶湖の水面「だけ」というほどに、琵琶湖真ん前の場所だった。マリンスポーツ好きの若い夫婦が住みはじめたようだ。窓の前にテーブルを置き、楽しそうに何かを飲んでいた。「この家にはあなたたちのほうが似合うわ」とつぶやき、心の岸辺に赤いスイトピーを咲かせた私は、背中を丸めて家に戻ったのでした。